アディクションについて

一方アディクションとしての摂食障害は家族と絡むと信田は主張する。ここで母子の関係の話になるが、摂食障害の娘をもつ母親を語るキーワードは「不幸」である。母親は夫との愛情にも冷め、自分が社会に出てやりたいことをやることはもうできない「不幸」の中にある。そういった自分のできなかった赤字の部分を、娘で黒字に埋め合わせようとして母子の密着した関係が出来上がる。

しかし、摂食障害などその他のアディクションを含め、これらは人生の危機を乗り越える手段だと信田は言う。つまり、通過儀礼にすぎないというのだ。この場合、母親のプレッシャーから娘は摂食障害になっているため、母子は、本当は対立関係にある。よって母親は、フリでもよいから父親と旅行に出かけるなどして、娘と距離を置くべきだという。まとめると、信田の論調は治療者無力論である。無力は無気力ではなく、「援助の等価性」すなわち同じ目線で援助する必要があると述べている。